本業は編集者、ディレクター。でも、実はシブヤ大学恵比寿キャンパス校長や、恵比寿のアートイベント発起人など、いろいろしてます。そんな小倉若葉(おぐらなおよ)の日常を綴っています。子育ても満喫中。
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赤ちゃんが来た

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『赤ちゃんが来た』は、1990年12月から1年間、朝日新聞で連載された
漫画家の石坂啓さんの出産、子育てエッセイです。

当時ティーンエイジャーだった私は、この連載を毎週とても楽しみにしていました。

何と言っても、母親以外から語られる出産体験って初めてでしたし、
「いつかは私も……」なんて憧れもあったのかもしれません。

それに今でこそ等身大の出産体験本、子育て本は溢れ返ってますが、
当時はとても目新しかったんじゃないのかなと思います。


奥付によれば、文庫の初版が出版されたのは1996年。

いつか読み直そうと本屋さんで見かけたときに購入したに違いありませんが、
読まれることのないまま12年も本棚の奥深くにしまわれていました。

が、ついに時がやってきて、読み返してみましたよ。


当時とはまた違った意味で興味深いことが満載で、
石坂さんの鋭い頭脳と感性に感服しつつ、あっという間に読み終えました。

思わず笑ってしまうエピソードも満載なのですが、
なかにはすんなり読み過ごすことができない記述もありました。

私の記憶からはすっかり抜けていたのですが、
「もしかしてここを読み返すために、この本を手に取ったのかもしれない」
と思うくらい衝撃的だったので、ご紹介したいと思います。



それは、女子高生コンクリート詰め殺人事件について。


女子高生コンクリート詰め殺人事件とは、私が高校生だった
1988年11月~翌1989年1月にかけて東京都で起こった
猥褻誘拐、略取、監禁、強姦、暴行、殺人、死体遺棄事件の通称です。

同世代の女の子が被害者ということで、ものすごくショックを受けたことを覚えています。

大学生になってから、この事件のノンフィクションを何冊か読みました。



以下、Wikipediaからの一部引用。

数名の少年が女子高校生を41日間にわたり仲間の自宅2階の居室に監禁し、
レイプ行為や苛烈な暴行を繰り返した挙句、被害者は死亡。
死体の処理に困った加害者達は遺体をドラム缶に入れてコンクリート詰めにして
東京都江東区若洲の埋め立て地(現在の若洲海浜公園敷地内)に遺棄した。
1989年(平成元年)3月29日、別の事件で逮捕された際の
取調中の加害者の供述により、被害者の遺体が発見されたことから事件が発覚した。
犯人が被害者の死亡に気づいたのは同年(昭和64年)1月5日。




石坂さんはまさに陣痛のまっ最中、突然事件のことを思い出したそうです。

 あのコはかわいそうだったなアと、トートツに思い出した。私は今しゃがんで動けないなんて言ってるけど、あのコはトイレにも立てなかったのだ。私はこれくらいの陣痛にも痛くて恐ろしいと思ってるけど、まちがいなくあと数時間後には楽になり、解放される。あのコの恐怖と絶望と痛みは、どんなだったろうか。
 彼女を死なせた男のコたちは、自分がどれほどの大罪を犯したのかわかってないんだろうな。性を卑しめるという行為は、自分自身の生命を卑しめる行為のように、このときの私には思えた。女のカラダというものは生命がくぐってくるものなのだ、もっと大きな力が宿るものなのだ、あの女のコにもそれが備わっていたのだ……。

(中略)

 だれもが女の生殖器をくぐって生まれてきたのだとしたら、それを卑しめるような行為は絶対にしちゃいけない。天に向かってツバするようなものだ。自分自身を卑しめてることにほかならないだろう。
 女のコが死んだのが赤ん坊を産んだのと同じ、二年前の一月四日(原文ママ)だったことをあとから知って、私は泣いてしまった。





女がか弱いなんてウソです。

男の幻想です。


男より約7年も長生きし、出産時、命を引き換えにするほどの痛みにも耐える女は、
男が思うよりずっと強い生きものです。

男が女に絶対的に勝るのは、恐らく筋力だけです。

だからこそ、女の人格や意向を無視して、力でねじふせるような卑劣な行為は
絶対にしてはいけないのです。

女の生殖器は、男の欲望を満たすためにあるのではなく、
生命を宿し、それがくぐるためにあるのだから。



社会に出てから感じたのは、程度の差はあれ、男性には2種類いるということ。

一方は、女が当然自分と同じ人間であると認識していて、
男女隔たりなく敬うことのできる人。

もう一方は、表面上はそう見せなくても、心の奥深くで
女の能力、あるいは女そのものをみくびっている人。


後者のタイプの男性に出会ってしまうと、いつも思うのです。

ああ、あなたはあなたを宿し、産み落としたお母さんを、誰よりも敬っていないのだと。



内閣改造で農林水産大臣に任命された政治家は、
かつてスーパーフリー事件で「レイプする人はまだ元気があっていい」と発言しています。

そしてその発言を擁護するような「そういう格好をしている女の人が悪い」と言ったのは、
ほかならぬ福田総理です。


女を人として認めない発言を平気でしてしまう男たちが、
一国を引っ張っていくことなんて本当にできるのかしら……。
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by hanaoui | 2008-08-05 10:57 | diary
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