本業は編集者、ディレクター。でも、実はシブヤ大学恵比寿キャンパス校長や、恵比寿のアートイベント発起人など、いろいろしてます。そんな小倉若葉(おぐらなおよ)の日常を綴っています。子育ても満喫中。
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What's hospitality?
金曜の夜、遠来の客人あり。
この方は、その昔、私が旅行書の編集プロダクションに勤めていたころに出逢い、大変お世話になった伊豆のとある宿屋の奥さんで、いろんな意味で影響を受けたRさん。
大好きなミュージシャン(伊藤銀次! シブイ!)のライブを聴くために上京され、その後、わざわざ恵比寿に立ち寄ってくださったのです。

この宿は、私が会社を辞めて独立したあとも、ちょくちょくお客として訪ねていたほど特別な宿。
でも、伊豆にありながら天然温泉ではないし、まして海が近いわけでもない。
部屋など、宿の箱自体のつくりはいたってシンプル。

では、一体何が特別かって?
料理がめちゃくちゃおいしい、カウンターがあってそこで飲むお酒が格別においしい、空気がおいしい、水がおいしいなど、いろんな理由がありますが、たぶんもっとも惹かれたのはそのホスピタリティ。

「ホスピタリティ」というと、顔に張りついたような笑顔とか、過剰なサービスとか、馬鹿丁寧な態度とか、そういったものが思い浮かぶかもしれません。
あるいは、「よい宿の条件」といえば、豪華な料理が食べられることや、立派な温泉風呂がたくさんあることや、部屋や庭のつくりが凝っていることを挙げる人もいるかもしれません。

でも、1泊数万円もする高級旅館から1泊2食付6000円の民宿まで、取材と称してさんざん泊まり渡り、それらを営む人に出逢い、話を聞いてきた結果、20代半ばの小娘が行き着いた結論は、上記のどれでもありませんでした。

よい宿の条件として絶対にはずせないのは、お客に合わせてサービスのかたちを自在に変えられること。

これは別の宿の話ですが、海が目の前にあり、しかもご主人は猟師という民宿で振る舞われたある日の晩ご飯は、なんと甘辛く煮た牛肉料理でした。
これは、その宿にたどり着くまでの数日間、取材先でさんざん刺身を食べて、生モノなんて見るのも嫌になっていた私たちを宿の女将さんが気遣い、車で30分はかかる町へ肉を買い出しに行ってくれたのです。
お父さんがその日海で獲ってきたサザエやアワビならタダだし、何より時間も手間もかからないのに……。
その宿の古びた日本家屋、水道水を沸かした狭い風呂、真夏というのに旧式の扇風機しかないゴザの敷かれた座敷。
それらすべてが心地よく、東京に戻る日を毎朝晩、指折り数えてしまうような長く過酷な取材旅行中、とてつもなく大きな励ましとエネルギーをもらったのです。

そもそも宿とは「箱」で、変わらないものだからこそ、かたちの変わるサービスは際立つともいえます。
一見しただけでは気づかないような、けれど完璧にカスタマイズされたサービスを受けると、人は自分の家以上にくつろぐことができ、旅の目的でもある「魂の休息」を味わうことができるものなのです。

そういう意味では、Rさんとご主人が営んでいた宿は、私が出合ったなかで、もっともよい宿の1つであったといえます。
が、「営んでいた」と過去形になってしまうのは、残念ながら今は諸事情のため休業されているから。

さて、Rさんが私に会いにわざわざ来てくださった切っ掛けは、私が西麻布にある友人のタロットバーへ行き、そこで開かれているタロット教室に通うようになったことを、当ブログに書いたことでした。
なんとRさん、タロット歴7、8年の大先輩だったのです!

ちょうど遊びに来ていた悪友たちも含め、占っていただくことに。
呼吸の整え方、シャッフルの仕方、カードの置き方、リーディング法……Rさんの一挙手一投足を見逃すまいと、タロットの世界に足先を突っ込んだばかりの私は興味津々。
だって、ものごとの一番早い上達法は、その道の達人のマネをすることだから!

「私ってば、タロットへの理解も、語彙も全然足りないなあ!」と、実力者を前に自分の非力を実感しつつも、Rさんの相手への思いやりに溢れたメッセージの伝え方に感心。
真剣に悩む相談者が納得するまで、とことん付き合うのです。
相手に歩調を合わせること、相手が欲しいものをあげることが、ホスピタリティなのね、きっと。
……いろんなものが足りないなあ、私。

翌土曜日は、偶然にも2回目のタロット教室。
「最終結論のカードが悪いカードだったら、私ならそれは最初に相手に伝えてしまいます。そして、その他のカードを読んで、明るい希望を伝えます。なぜなら、悪いことを最初に伝えると案外忘れてしまうけれど、最後に伝えるとそれはいつまでも相手に残ってしまうから」
Y先生のこの言葉に、ホスピタリティここにもあり、と目からウロコ。
タロットって、リーディング技術を磨くだけじゃホントダメなんだわ。

まずは続けること。
直感を研ぎ澄まし、集中力を高めること。
そして、相手へのやさしさを忘れないこと。

ホスピタリティ溢れるフォーチュン・テラーへの道のりは、まだまだ遠いのでありました。
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by hanaoui | 2006-04-03 02:49 | diary
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